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「安心と安全」が事業存続の鍵   第28回:社会保険に加入すると倒産する!?

トラック運送事業者の社会保険等未加入事業者への処分状況は次の通りです。

  社会保険 労働保険
車両停止処分 警告処分 車両停止処分 警告処分
H20.7.1〜H21.6.30 6件 67件 6件 36件
H21.7.1〜H22.6.30 128件 210件 57件 100件

社会保険は、事業者や従業員の意志で加入・脱退することはできません。株式会社や有限会社のような法人であれば社会保険の適用事業所であり、そこで雇用される従業員は被保険者となります。
従って、未加入事業所は「加入手続きを怠っていた」事業所とみなされ、最大2年前に遡って(会社負担+従業員負担)の保険料を支払って加入することになります。
つまり、「社会保険料の遡及徴収で倒産!」は充分あり得る話です。

それでは、社会保険に加入したくてもできない状況となるため、現在は、事業者が自ら社会保険の加入手続きを行なえば新規適用として手続がとられます(調査後の加入は、遡及徴収となります)。

社会保険に加入すれば、会社が負担する社会保険料の支出が増えます。それを、給与のみを人件費とする予算から社会保険料等を捻出すれば次のようになります。

【労働・社会保険未加入】→ 給与30万円×12ヶ月=360万円/年間
【労働・社会保険 加入】→(給与26.1万円+保険料40,292円)×12ヶ月=361.5万円/年間
雇用保険料 2,480円 + 労災保険料 2,871円
厚生年金 20,875円 + 健康保険(協会けんぽ東京都)12,116円 + 1,950円(介護)


社会保険等の未加入事業者に対する行政処分は、今後も厳しくなっていくと思います。反面、自ら加入手続きを行う事業者にはそれなりの配慮がされています。
「社会保険に加入したら倒産」ではなく、事業存続の為にも「社会保険に加入」しなければいけないのです。

次回は、「社会保険の加入を拒む従業員」についてお伝えします。

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by office-matsumoto | 2010-11-08

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